追加、修正された機能
●トリムマッピングの輪郭線検出
トリムマッピングされた形状に対して、オブジェクト境界を描画するトゥーン設定を適用することで、トリムマッピングの設定を反映した輪郭線の検出が可能となりました。
この機能を利用する際には、シェーディングが必要となるため、トゥーンレンダリング設定ウインドウで、「トゥーンの塗りを有効にする」チェックボックスがオンに設定されている必要があります。
●「トゥーンの塗りを有効にする」チェックボックスの仕様変更
従来のトゥーンレンダラでは、このチェックボックスを「オフ」にすると、トゥーンの効果を適用せずにフォトリアル設定でシェーディングを行う仕様となっていましたが、新しいトゥーンレンダラシェーディングを行わずに背景色で塗りつぶして、即座に輪郭線を描画する形となります。
例えば、背景を白に設定してから「トゥーンの塗りを有効にする」チェックボックスをオフに設定すると、プリセットの「テクニカルイラスト」のようなレンダリング結果を高速に得ることができます。
ただし、トリムの境界線は「トゥーンの塗りを有効にする」チェックボックスがオフに設定されていると描画されませんのでご注意ください。
●「影処理」ポップアップメニューの追加
「トゥーンレンダリング設定」ウインドウの「レンダリング」グループ内に追加され、以下の3つの項目より任意に選択することが可能になりました。
◆拡散反射調整
従来のトゥーンレンダラの標準の設定です。
トゥーン設定を「フォトリアル」にした場合には、拡散反射と滑らかに融合し、影の境界が目立ちにくい状態となります。
◆面法線調整
従来のトゥーンレンダラでは、「トゥーン設定」ウインドウの「塗り」タブ内の「影」タブに存在した「光源から反対向きの面が影を受ける」チェックボックスをオンにした状態の動作となります。
◆無調整
影について特に調整を行わない設定です。
●オーバーサンプリング機能の修正
◆オーバーサンプリング実行判定の改善
オーバーサンプリングを実施するかの判定の際に「網点」、「鉛筆」、「ハーフトーン」の使用時に過度のサンプリングが発生しないようになりました。これにより、レンダリングが高速になっています。
●境界の可視判定の改善
新しいアルゴリズムを導入することで境界線の可視判定の精度、速度を共に改善しました。特にブーリアンが存在するシーンでは速度が向上しています。
◆オブジェクト境界
境界線上に付近におけるオブジェクトの内と外の連続性を判定することにより、精度と速度を向上しました。
◆法線境界
エッジを構成する三角形への明示的な可視判定で精度と速度を向上しました。
◆オブジェクト交差境界
三角形同士の交差判定関数を2次元への投影を使わずに3次元で算出し、精度を向上させました。
参考 トゥーンレンダリングを実行するシーンに重なった形状が存在する場合には、そのぴったりと重なった形状の境界線の検出に問題が生じる場合があります。このような場合には、重なった位置に存在する形状の片方だけをレンダリング対象とするようにしてください。