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ブーリアン記号の種類

Shade3Dのブーリアンでは、和、差、積以外にもいくつかの演算の条件付けのための記号が用意されています。ブーリアンによって、複合的な形状や表面材質のモデリングおよびレンダリングを行うことができます。ブーリアンの指定は、閉じた形状またはパートに行う必要があります。

ブーリアンの指定は、形状名の先頭に付けられた記号によって行われます。記号は重複して使用することができます。

Shade3Dで使用される演算記号は、記号本来の意味とは一致していませんので注意してください(本来、和、差、積は、それぞれ“+”、“-”、“*”記号が用いられますが、Shade3Dのブーリアンでは、和の記号は“¥”、差は“*”、積は“$”が用いられます)。また、記号は必ず半角で設定する必要があります。

注意円や長方形などの厚みを持たない平面形状に対してブーリアンを行った場合結果が不正になる場合があります。

●穴をあける “-”記号

“-”記号が形状名の先頭に付けられた形状(以下、“-”形状)と他のあらゆる階層の形状が交差するとき、他の形状に“-”形状で穴をあけます。“-”形状自体は表示されません。

すなわち、“-”形状は、ブーリアンレンダリングでは表示されません。

重なり合った球です。ブーリアン記号は使用していません。

メタリックの球の形状名の先頭に“-”記号を付けた場合の結果です。大理石模様の球にメタリックの球で穴があけられます。

●和 “¥”記号

“¥”形状と他のあらゆる階層の形状が交差するとき、“¥”形状と他の形状を結合します。

結合された形状は、外側からの見かけは変わりませんが、内部の交差部分が表示されなくなります。結合された形状で、さらに他の形状を削り取る場合などに使用されます。それぞれの表面材質は、それぞれの形状で維持されます。

重なり合った透明な掃引体です。ブーリアン記号は使用していません。厚い方の掃引体内部に、薄い方の掃引体が見えます。

2個の掃引体が結合され、交差部分が見えなくなります。

●差 “*”記号

“*”形状と他のあらゆる階層の形状が交差するとき、他の形状を“*”形状で削り取り、削り取った部分の表面材質を“*”形状の表面材質で置き換えます。“*”形状自体は表示されません。

重なり合った球です。ブーリアン記号は使用していません。

大理石模様の球がメタリックの球で削り取られ、その部分の表面がメタリックの球に置き換えられます。

重なりあった形状で、他の形状を削り取る場合です。上の例では、重なりあった部分が残ります。

和の記号を使用して重なりあった形状を結合しています。上の例では、“¥”形状と自由曲面の和の部分、すなわちメタリック球が表示されます。

“&”記号を使用して、“¥”記号をローカルに制限すると、重なりあった形状で他の形状を削り取ることができます。

●積 “$”記号

“$”形状と他のあらゆる階層の形状が交差するとき、“$”形状と他の形状の交差部分以外は表示されなくなります。表面材質は、それぞれの形状で維持されます。

2個の透明な形状が重なっています。

2個の形状の交差部分だけが表示されます。この形状を表示するためだけであれば“&”記号は必要ありませんが、“&”記号によって“$”記号をローカルに制限しておかないと、他の形状が表示されなくなります。

前の形状を並べています。“&”記号によって“$”記号をローカルに制限しているので、隣り合う形状に効果を与えません。

●表面材質を置き換える “=”記号

“=”形状と他のあらゆる階層の形状が交差するとき、他の形状の交差部分の表面材質を“=”形状の表面材質で置き換えます。“=”形状自体は表示されません。

重なり合った形状です。ブーリアン記号は使用していません。

球の重なりあった部分の表面材質がメタリックに置き換えられます。

“=”形状の表面材質は、イメージによる、あるいはイメージの反映によるラップマッピングであってはいけません。ラップマッピングは、形状表面だけで定義されているため、交差部分を定義することができません。

マスク処理による多重マッピングと組み合わせることで、「ステッカーマッピング」(Sticker Mapping)と呼ばれる非常に有用な手法に使用されます。

ステッカーマッピングでは、白地または黒地のイメージをマッピングし、「ホワイトキーマスク」または「ブラックキーマスク」チェックボックスをオンにしたステッカーとなる“=”形状を用意し、マッピング対象の形状とステッカー形状を含むパートにマッピング対象の形状の表面材質を設定します。ステッカー形状の位置を変更することで、マッピング対象の形状のどこにでもイメージを貼り付けることができます。イメージの地の色には、マッピング対象の形状の表面材質が反映されます。

上のロゴをメタリックの球にステッカーマッピングします。ロゴは、アンチエリアシングされていない白黒2値のイメージです。

“=”記号が付けられた形状に白地に黒のロゴが投影マッピングされており、「その他の表面材質属性」ダイアログボックスの「ホワイトキーマスク」チェックボックスがオンにされています。上位階層のパートにメタリックのテクスチャーが設定されています。

●他の演算効果をローカルに制限する “&”記号

“&”記号を他の記号に付加すると、他の記号の演算の効果が同一階層のパート以下に制限されます。このことを、「ローカルに制限される」または「ローカルに適用される」あるいは「ローカルである」と呼びます。
“&”記号が付加されていない状態では、あらゆる階層の形状に適用されます。このことを、「グローバルに適用される」あるいは「グローバル」である、と呼びます。
“&”記号が単独で使用される場合、“=”記号と同等の働きがローカルに適用されます。

大きな球と5個の小さな球です。

“*”記号を使用して、小さな球で大きな球を削り取ります。目的の形状は、この形状を雄型とするときの雌型の形状です。

雄型で掃引体を削り取ります。上の例では、小さな球の“*”記号が掃引体に効果を与えているため、正しい雌型になりません。

“&”記号を使用して“*”記号をローカルに制限すると、正しい雌型になります。

●“*”“-”の効果を打ち消す “+”記号

“+”形状は、他の“*”形状および“-”形状の効果を打ち消します。

中心の球をリングが取り巻いているところです。大小2個の球とそれを削り取る2個の“*”記号付きの掃引体でリングを作成します。“*”記号の効果を受けて、中心の球は削り取られます。

中のイメージは、バックドロップを使用して、ワイヤフレームをレンダリングしたイメージを数回合成したものです。

中心の球に“+”記号を付けると、“*”形状の効果が打ち消されます。

●“=”記号の効果を打ち消す “^”記号

“^”形状は、他の“=”形状の効果を打ち消します。

ステッカーマッピング付きの球をリングが取り巻いているところです。リングは、大小2個の球とそれを削り取る2個の“*”記号付きの掃引体で作成されています。“=”記号の効果を受けて、リングにステッカーマッピングが行われます。中のイメージは、バックドロップを使用して、ワイヤフレームをレンダリングしたイメージを数回合成したものです。

リングに“^”記号を付けると、“=”形状の効果が打ち消されます。

●“*”“-”“=”記号の効果を打ち消す “!”記号

“!”形状は、他の“*”形状、“-”形状および“=”形状の効果を打ち消します。

リングが取り巻いている球の表面近くをメッシュが囲んでいるところです。球にはステッカーマッピングが行われています。リングは、大小2個の球とそれを削り取る2個の“*”記号付きの掃引体で作成されています。メッシュは“*”記号の効果を受けて削り取られ、更に“=”記号の効果も受けます。中のイメージは、バックドロップを使用して、ワイヤフレームをレンダリングしたイメージを数回合成したものです。

メッシュに“!”記号を付けると、“*”形状および“=”形状の効果が打ち消されます。

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