「無限遠光源」ウインドウ
「表示」メニューから「無限遠光源」を選択するか、統合パレットの「無限遠光源」ウインドウの表示切替ボタンをクリックすると表示されます。「無限遠光源」ウインドウは、無限遠光源の設定を行います。
「太陽設定」グループ以下の設定項目は、Standard、Professionalにのみ搭載されている機能となるため、Basicでは表示されません。
●「基本設定」グループ
- プレビューボックス
- 無限遠光源の方向、明るさ、色、環境光の設定が、グローバル座標の原点におかれている球への反映の様子によってプレビューされます。プレビューは、「ビュー」のラジオボタンで選択されている基準図面の原点から正面を見たときのものです。
- 「ビュー」ラジオボタン
- 無限遠光源のプレビューや方向設定半球の基点となる図面を「右面図」「上面図」「正面図」「透視図」の各ラジオボタンから選択します。
- 「読込」ボタン
- 無限遠光源設定ファイル(.shddlt、.xmlshddlt)を読み込んで、「無限遠光源」ウインドウの設定に適用します。
- 「保存」ボタン
- 現在の「無限遠光源」ウインドウの設定を無限遠光源設定ファイル(.shddlt、.xmlshddlt)として保存します。
- 「情報」ボタン
- 無限遠光源のカスタム属性を持つプラグインをインストールしている場合、そのカスタム属性が表示されます。
- 「光沢を表示」チェックボックス
- オンにすると、プレビューへの反映を黒い球への光沢で表示します。無限遠光源の方向の把握が容易になります。
- 「全て表示」チェックボックス
- オンにすると、設定しているすべての無限遠光源を同時にプレビューします。
オフにすると、選択している無限遠光源だけをプレビューします。 - 無限遠光源番号ポップアップメニュー
- 設定を行う無限遠光源を選択します。設定を行う無限遠光源の数が増えるごとに、メニューに表示される無限遠光源の番号も増えていきます。明るさ、またはグレアを持つ無限遠光源の番号には、チェックが付けられます。「新規作成」を選択すると、新しい無限遠光源を作成します。
- 「光源」カラーボックス
- 選択している無限遠光源の色を設定します。
- レイヤ入れ替えボタン
- をクリックすると、表示されているレイヤを1つ上に移動します。
をクリックすると、表示されているレイヤを1つ下に移動します。 - レイヤ複製ボタン
- をクリックすると、表示されているレイヤを複製します。複製されたレイヤは、一番下に作成されます。
- レイヤ削除ボタン
- をクリックすると、表示されているレイヤを削除します。
- 「明るさ」スライダ、テキストボックス
- 選択されている無限遠光源の明るさを設定します。無限遠光源の「明るさ」が「1」で、色が白(1,1,1)のとき、無限遠光源に垂直な形状表面の色が形状の拡散反射色に等しくなります。
- 「lx」チェックボックス
- オンにすると、無限遠光源の明るさの単位をlx(ルクス)として計算します。
- 「環境光」スライダ、テキストボックス
- 選択されている無限遠光源の環境光を設定します。
◆光源方向設定半球
選択されている無限遠光源の座標系での光源方向を表示、設定します。半球は、無限遠光源が位置する天球を外側から見ているときの様子を示しています。
- 左の半球
- 選択されている基準図面の原点を正面から見たときのものです。例えば、正面図ラジオボタンが選択されている状態で左の光源方向設定半球の中心をクリックすると、無限遠光源はZ軸のプラス方向に設定されます。
- 右の半球
- 選択されている基準図面の原点を裏面から見たときのものです。例えば、正面図ラジオボタンが選択されている状態で右の光源方向設定半球の中心をクリックすると、図形ウインドウのZ軸のマイナス方向に設定されます。
●「詳細設定」グループ
- 「影」スライダ、テキストボックス
- 選択している無限遠光源の、レイトレーシングによるレンダリングにおける影の濃度を設定します。値が「0」のときは、影の計算を行わないため計算時間が短縮されます。
- 「影」カラーボックス
- 選択している無限遠光源の、レイトレーシングによるレンダリングにおける影の色を設定します
- 「ソフトネス」スライダ、テキストボックス
- 選択している無限遠光源のレンダリングにおける影の輪郭のぼかしを設定します。
対応しているレンダリング手法は、Professionalは「レイトレーシング」と「パストレーシング」、StandardとBasicは「パストレーシング」となります。 - 「品質」スライダ、テキストボックス
- 「レイトレーシングの画質」に対する倍率を設定します。
参照光源の品質
- 「光沢」スライダ、テキストボックス
- 選択している無限遠光源の明るさを形状の光沢に反映させる量を設定します。値が「0」のとき、光源は形状の光沢に反映されません。
- 「拡散反射」スライダ、テキストボックス
- 選択されている無限遠光源の明るさを形状の拡散反射色に反映させる量を設定します。値が0のとき、光源は形状の拡散反射色に反映されません。
- 「グレア」スライダ、テキストボックス
- 選択されている無限遠光源の方向に、光源の眩しさをシミュレートするグレア(Glare:光輝)の強さを設定します。レンダリング設定の「基本設定」タブの「背景を描画」チェックボックスをオフにすると、グレアは表示されません。
- 「サイズ」スライダ、テキストボックス
- 選択されている無限遠光源のグレアの広がりを設定します。グレアのサイズは、カメラウインドウの焦点距離の影響を受けます。焦点距離が短いほど、サイズは小さくなります。
- 「天空光」スライダ、テキストボックス
- ラジオシティ計算で使用する天空光の量を設定します。
- 「天空光」カラーボックス
- 天空光の色を設定します。
- 「フォグ」スライダ、テキストボックス
- シーンに対するフォグの量を設定します。
- 「フォグ」カラーボックス
- フォグの色を設定します。
●「シャドウマップ」グループ
- 「影の種類」ポップアップメニュー
- 選択している無限遠光源の、レイトレーシング、レイトレーシング(ドラフト)、パストレーシングでのレンダリングにおける影の計算、描画方法を選択します。
- 「サイズ」チェックボックス、テキストボックス
- オンにすると、テキストボックスにシャドウマップのサイズを入力することができます。サイズを大きくすると影の輪郭をクリアに表現できますが、メモリの消費量も多くなります。サイズが小さいと影が階段状になってしまうことがあります。
オフにすると、レンダリング設定での値を継承します。なお、「0」を入力すると、シャドウマップを作成しません。 - 「バイアス」チェックボックス、テキストボックス
- オンにすると、テキストボックスにシャドウマップバイアスの値を入力することができます。シャドウマップを受ける形状が平行でない場合、影の一部が表示できない場合がありますが、シャドウマップバイアスの値を変更することで、平行ではない形状に対しても影を表示することができます。
オフにすると、レンダリング設定の値を継承します。 - 「ブラー」チェックボックス、テキストボックス
- オンにすると、テキストボックスにシャドウマップブラーの値(影の輪郭をぼかす量)を入力することができます。
オフにすると、レンダリング設定の値を継承します。
●「太陽設定」グループ
「太陽設定」を使用すると、緯度・経度で指定した場所、日時の太陽光の入射を無限遠光源で表現します。開始と終了日時を指定してアニメーションすることも可能です。
「太陽設定」は無限遠光源の1番目のレイヤに対してのみ有効です。
フィジカルスカイと組み合わせて利用することで、指定時間に合わせて背景も自動的に変化し、朝焼けや青空、夕焼けなどを表現することもできます。
- 「有効」チェックボックス
- オンにすると無限遠光源で太陽計算が有効になります。「位置」「日時」「終了日時」グループがアクティブとなり、設定により無限遠光源を自動計算します。この場合は、「光源方向設定半球」による光源の位置指定は行えなくなります。
オフにすると、通常の無限遠光源となります。
●「位置」グループ
- 「位置」ポップアップメニュー
- 日本国内の主要都市がプリセットとして用意されており、選択することで位置を設定することができます。
また、「位置」グループで任意に設定した情報をプリセットに登録したり、任意に登録したプリセットの名前の変更や削除も行えます。 - 「UTC」テキストボックス
- 協定世界時(UTC)との時間差を指定することができます。
日本の場合は、+9時間となるため「9.00」が標準の値となります。 - 「緯度/経度」テキストボックス
- 設定位置の緯度(-90~+90)、経度(-180~+180)を指定します。
緯度経度は北緯がプラス方向/東経がプラス方向となります。たとえば「37.75634N,122.49177W(アメリカのカリフォルニア)」の位置を指定する場合は、北緯/西経の指定となるため「37.75634, -122.49177」と指定します。
また、緯度経度の指定は10進法で指定します。「45°29′13″N, 122°48′13″W(Beaverton, Oregon)」のように、度/分/秒の60進法単位で指定されている場合は、
「度 + 分/60 + 秒/(60 * 60)」の計算式に当てはめて10進法に変換するようにしてください。
「45°29′13″N」は「45 + 29/60 + 13/(60*60) = 45.486944」、 「122°48′13″W」は「122 + 48/60 + 13/(60*60) = -122.803611」、
として計算した値を入力するようにします。
- 「真北」スライダ、テキストボックス
- シーン上で真北とする位置を設定します。
シーン上では、「+Y」方向が地表面より垂直の上向きの方向、-Z方向が北/+Z方向が南/-X方向が西/+X方向が東となります。このときの「Y軸」を軸として回転させ、その度数(-180~+180)で真北の方向を指定します。
このスライダの操作中は、「上面図」に北を示す矢印が半透明の緑色で表示されます。
真北の位置を調整すると、太陽の向きと、フィジカルスカイを使用したときの空模様が変更されます。- 「記憶」ボタン
- 現在の真北の設定を記憶します。
原点を中心として、長さ「1000mm」の北向きの開いた線形状が作成され、この線形状を選択して「復帰」することで、現在の設定状態に戻すことができます。 - 「復帰」ボタン
- 既存の開いた線形状を選択して、「復帰」すると、開いた線形状の向きを北向きとして、真北の設定を行います。
●「日時」グループ
- 「時間表記」ポップアップメニュー
- 時間の表記を「24時間」「12時間(AM)」「12時間(PM)」から選択できます。
「24時間」のとき、時間指定は0~23の値を入力する形となります。「12時間(AM)」のときは、午前の0~11の値、「12時間(PM)」のときは、午後の0~11の値を使用します。
時間表記の初期状態は、「環境設定」の「シーン」タブから「24時間表記」チェックボックスで設定可能です。 - 「日付」ポップアップメニュー、テキストボックス
- ポップアップメニューから選択するか、テキストボックスに数値を入力して、日付を設定します。
- 「時間」ポップアップメニュー、テキストボックス
- ポップアップメニューから選択するか、テキストボックスに数値を入力して、時間を指定します。
時間に入力できる数値は「時間表記」ポップアップメニューの設定によって異なります。 - 「現在日時」ボタン
- 使用中のコンピュータの日時情報を「日付」「時間」に割り当てます。
●「終了日時」グループ
- 「アニメーション時の終了日時を指定」チェックボックス
- オンにすると「太陽設定」をアニメーションさせることができます。
「終了日時」グループの「日付」「時間」で、アニメーションの最終フレームの「日付」「時間」を設定すると、「日時」グループの設定をアニメーションの最初のフレームとして、その間の太陽の動きをシミュレートできます。
●「フィジカルスカイ」グループ
フィジカルスカイを用いると、無限遠光源の向きや色の設定から「背景」の「上半球基本色」に空模様を自動的に設定できます。「太陽設定」と併用することや無限遠光源の色を自動計算することも可能です。
- 「有効(背景に描画)」チェックボックス
- オンにすると、フィジカルスカイ計算で求められた日時や位置、もしくは無限遠光源の向きによる空模様を「背景」の「上半球基本色」として描画します。このとき「背景」ウインドウの「上半球基本色」は変更できない状態となります。
- 「光源の色」チェックボックス
- オンにすると、光源の向きより自動計算した太陽の色を無限遠光源の1番目のレイヤの光源色として使用します。
- 「背景の色の自動調整」チェックボックス
- オンにすると、「背景」ウインドウの「下半球基本色」「雲レイヤ」「霧レイヤ」の設定を太陽の沈む角度で補正します。太陽が地平線に沈むにつれて、暗くなっていくような調整が行われます。
- 「明るさ」スライダ、テキストボックス
- 空模様の明るさの値を設定します。明るさを下げると背景の光量(色)を抑え、上げると光量も上がり白くなります。
明るさの設定は、昼と夕方/夜では人間の目が自動調整しているため、時間により調整する必要があります。
また、「光源の色」チェックボックスがオンになっている場合の無限遠光源の色の自動計算に関しては、この「明るさ」の設定は影響しません。 - 「ガンマ」ポップアップメニュー、テキストボックス
- 背景と光源色の逆ガンマ値を設定します。
「線形状/HDR(1.0)」「モニター(1.0/2.2)」より選択するか、任意の数値を指定します。 - 「大気」スライダ、テキストボックス
- 大気の霧がかった表現による、にごり具合を設定します。
値が小さいと夕焼けの色が出にくくなります。しかし昼間は太陽の周りが白く飛ぶ状態を抑えることができます。
「光源の色」がオンのときでも、無限遠光源の色の自動計算に影響します。