図形ウインドウの名称と機能
初期状態の図形ウインドウでは、ウインドウ内部は水平、垂直の境界線によって4つの図面に分割表示されています。
ウインドウ左端と下端には、「ルーラ」と呼ぶ領域が表示されます。
各図面の右上にある「表示切り替え」ポップアップメニューから「図形ウインドウ」の「グリッドの表示」チェックボックスをオンにすると、上面図、正面図、右面図に「グリッド」と呼ばれる基準線が表示されます。
図面やグリッドの色は、「環境設定」ダイアログボックスで変更することができます。
編集モードの切り替えやマニピュレータ、スナップ、作業平面、立体視の操作などは、図形ウインドの上部に表示されている「コントロールバー」で行います。
●三面図と透視図
初期設定では、
これらの3つの図面を、特に「三面図」と呼びます。
これらの図面では、図面の操作や形状の入力、編集、表示を行います。
●ルーラ
初期設定では上面図の左端および右面図の下端は、Z座標軸を示しており、「Z軸ルーラ」と呼びます。正面図の左端、下端は、Y座標軸、X座標軸を示しており、「Y軸ルーラ」、「X軸ルーラ」と呼びます。これらのルーラでは、3次元カーソル位置の入力および表示を行います。上面図、正面図、右面図およびルーラは、X、Y、Z座標軸を常に共有しています。
●3次元カーソルと座標値ポインタ
マウスポインタが図形ウインドウを移動するとき、図面内では十字形の3次元カーソルが追従します。例えば、マウスポインタが上面図を移動しているとき、ポインタに追従するカーソルと連動して他の図面にも3次元カーソルが表示されます。
マウスポインタが図形ウインドウ以外の位置に移動するか、Shade3Dのコントロールウインドウの上にあるとき、3次元カーソルはマウスポインタの追従を止め、ある位置に固定されます。この位置は、最後にマウスをクリック、あるいは最後にドラッグを行ったときにマウスをプレスした位置です。この位置を「現在の3次元カーソルの位置」あるいは「3次元カーソル位置」と呼びます。Shade3Dでの多くの作業が、この位置を基準として実行されます。
3次元カーソルの位置は、ルーラ上をクリックすることでも設定できます。ルーラ上でのクリックは、3次元カーソルの位置だけを変更するため、形状の作成中などに操作を確定してしまうことがありません。
3次元カーソルの座標値は、ステータスバーに常時表示することができます。
●ラージカーソル
3次元カーソルを図面いっぱいに拡大表示することができます。メニューバーの「図形」メニューから「ラージカーソル」を選択するか、コントロールバーの「ラージカーソル」ボタンをクリックすると、3次元カーソルが拡大表示されます。もう一度「ラージカーソル」ボタンを押してオフにすると、元の表示に戻ります。
●3次元カーソルの移動方向制限
通常、[Shift]キーを押したままドラッグするか、ドラッグの途中で[Shift]キーを押す、あるいはドラッグの途中で[Shift]キーと同時に押されていた他のキーを放すと、ドラッグの方向が水平方向から45度単位の方向に制限されます。
●マウス吸着
「環境設定」ダイアログボックスの「マウス吸着」チェックボックスをオンにすると、ドラッグの操作をクリックの操作で代用できます。
1回クリックすると、ドラッグのときのマウスボタンをプレスする操作になり、もう1回クリックすると、ドラッグのときのマウスボタンをリリースする操作になります。
機能によっては、クリックに別な働きが設定されているなどの理由から、最初のクリック後、わずかにドラッグする必要があるものもあります。
●図面の大きさ
図形ウインドウのサイズは、モニタのサイズの制限を受けますが、ウインドウ内部の図面の大きさ、広さには制限はありません。ウインドウは無制限の大きさの図面を見る窓のようなもの、あるいは製図台にとてつもなく大きな紙を広げている状態と考えられます。
モニタのドット間の距離は、0.001倍から100000倍の拡大率を持ち、メートル法では、最小の単位mmから最大の単位kmまで1000000倍の縮尺を持っています。合わせると、0.001mmから100000kmまでの解像度を持つことになります。また、図面の上下左右へのスクロールの範囲も実用上無制限と考えてさしつかえありません。図面のスクロールは、製図台の紙を移動することと同様です。
図形ウインドウの図面の縮尺を変更するには、いくつかの方法があります。
◆ナビゲーションツールの「ズーム」アイコン
図面の右上角にあるナビゲーションツールの「ズーム」アイコンを上・下にドラッグすると、図面が拡大・縮小されます。透視図では、視点を前後に移動してズームイン・ズームアウトします。
◆ナビゲーションツールの「縮小表示」、「拡大表示」アイコン
図面の右上角にあるナビゲーションツールの「縮小表示」ボタンをクリックすると、図面の縮尺が大きくなり、大きな範囲が表示されます。形状の表示は相対的に小さくなります。「拡大表示」ボタンでは逆です。
拡大、縮小の比率は、3回続けてクリックするとき、拡大では2倍、2倍、2.5倍、縮小ではその逆数となります。3回続けてクリックすると、10倍または1/10倍に拡大、縮小されることになります。
また、[Ctrl]キーまたは[Z]キー(Windows)|[Option]キー(macOS)を押したままクリックすると、3次元カーソルの位置を中心に図面の縮小、拡大が行われます。
◆「図面操作」ポップアップメニューの「ズームインモード」「ズームアウトモード」
「図面操作」ポップアップメニューから「ズームインモード」を選択すると、マウスポインタが拡大表示ポインタ(ズームインポインタ)に変更されます。そのまま図面をクリックすると、その位置を中心に図面が拡大されます。
「図面操作」ポップアップメニューから「ズームアウトモード」を選択すると、マウスポインタが縮小表示ポインタ(ズームアウトポインタ)に変わります。そのまま図面をクリックすると、その位置を中心に図面が縮小されます。
◆「図形」メニューの「縮小表示」「拡大表示」
ナビゲーションツールの「縮小表示」、「拡大表示」ボタンと同じ操作です。
参考 3次元カーソルの位置を中心にした図面の縮小、拡大はできません。
◆キーボードコマンド
[Space]キー+[Ctrl]キーまたは[Z]キー(Windows)|[Space]キー+[Option]キー(macOS)を押すと、マウスポインタが縮小表示ポインタ(ズームアウトポインタ)に変更されます。そのまま図面をクリックすると、その位置を中心に図面が縮小されます。
[Space]キー+[X]キー(Windows)|[Space]キー+[コマンド]キー(macOS)を押すと、マウスポインタが拡大表示ポインタ(ズームインポインタ)に変更されます。そのまま図面をクリックすると、その位置を中心に図面が拡大されます。
◆マウスホイールによる操作
マウスホイールを下方向へ動かすと縮小され、上方向へ動かすと図面が拡大されます。
参考 3次元カーソルの位置を中心にした図面の縮小、拡大はできません。
●図面をスクロールする
図面の右上角にあるナビゲーションツールの「スクロール」アイコンをドラッグすると、ドラッグした方向に図面がスクロールします。透視図では、カメラの視点や注視点、ズームなど、「カメラ」ウインドウで選択されているアイテムが移動します。
[Space]キーを押すことでも、マウスポインタがハンドポインタに変更され、表示をスクロールすることができます。
●図面を回転する
図面の右上角にある「ナビゲーションツール」の「回転」アイコンをドラッグすると、ドラッグした方向に図面が回転します。透視図では、カメラの視点が回転します。
[Space]キー+[Shift]キーを押す ことでも、マウスポインタがハンドポインタに変更され、表示を回転することができます。
透視図以外では「回転」アイコンをクリックすると、回転がリセットされます。
●図面に合わせる
「図形」メニューの「図面に合わせる」、および「図面操作」ポップアップメニューの「図面に合わせる」を選択すると、大きく拡大された図面などが、すべての形状が図面におさまるよう程度に縮尺を変更して表示されます。
参考 図面の中央に表示されます。図形ウインドウ上で非表示になっている形状は、図面に合わせる対象にはなりません。
●選択形状に合わせる
各図面の「フィット」ボタンをクリックすると、現在選択されている形状がその図面におさまる程度に縮尺を変更し、表示されます。透視図のときには、現在選択されているカメラの視野に対して同様の処理を行います。
参考 透視図で「フィット」ボタンをクリックする操作は、カメラウインドウの「セット&連動」グループから「フィット」の「選択形状に合わせる」ボタンをクリックしたときと同様の操作になります。
それ以外の図面で「フィット」ボタンをクリックする操作は「図面操作」ポップアップメニューで「選択形状に合わせる」を選択したときと同様の操作になります。
●平行投影に切り替える
透視図の「平行投影」ボタンを押すと、透視図の表示が平行投影に切り替わります。もう一度ボタンを押すと、元に戻すことができます。
●図面レイアウトを変更する
「図形」メニューの「図面レイアウト」サブメニュー、およびコントロールバーの「図面レイアウト」ボタンをクリックして表示される「図面レイアウトコントローラ」で、図形ウインドウの図面の表示を変更することができます。
●図面の分割比率を変更する
図形ウインドウが分割表示されているとき、水平、垂直の境界線を移動することで、分割の比率を変更することができます。
境界線の上にマウスポインタがあるとき、マウスポインタが矢印ポインタに変更されます。そのまま境界線をドラッグすると、図面の分割の比率が変更されます。
●作業平面を操作する
透視図左下の「作業平面コントローラ」で作業平面の切り替えなどの操作を行います。
◆作業平面を切り替える
作業平面にマウスを合わせると作業平面がハイライトされます。クリックするとその作業平面に切り替わります。
作業平面の中心をクリックすると、透視図に平行なスクリーン平面に切り替わります。
◆作業平面をロックする
黄色で表示されている現在の作業平面をクリックすると、緑色になりロックされます。解除するには再度クリックします。
◆軸投影に切り替える
X、Y、Zの各軸をクリックするとその軸に直交する平面に切り替わります。戻すには「global/local」のポップアップメニューより「カメラ初期化」を選択して初期値に戻すか「カメラ:<<」「カメラ:>>」によって段階的に戻します。
シフトキーを押しながらのクリックでマイナス方向に切り替える事ができます。