テクスチャベイク
Basic | Standard | Professional | Civil | Ultimate |
---|---|---|---|---|
- | - | O | O | O |
形状、マテリアルの情報からテクスチャを生成します。
照明や影、大域照明の陰影のテクスチャ化、ハイポリゴンの形状の凹凸をローポリゴンの形状で再現する法線マップ生成、プロシージャルマップのイメージマップ化など、メタバースの高品質化に求められる様々な用途に利用することができます。
重要Professional / Civil / Ultimateにのみ搭載されている機能です。
インターフェイス「ツールボックス」 > 「編集」 > 「共通」 > 「その他」グループ > 「テクスチャベイク」
メインメニュー「ツール」 > 「編集[共通]」 > 「テクスチャベイク」
「テクスチャベイク」ツールパラメータ
- 「ベイクモード」ポップアップメニュー
- テクスチャベイクのモードを選択します。「レンダリングのみ」、「マスターマテリアル作成」から選択します。
- 「レンダリングのみ」
- レンダリングのみを行います。手動でイメージを組み合わせてマテリアルを設定するときに使用します。
- 「マスターマテリアル作成」
- レンダリングを行った後、マテリアルを生成します。
- 「レンダリング」ラジオボタン
- レンダリングの対象を選択します。「選択形状のみ」、「全ての形状」から選択します。
- 「選択形状のみ」
- 選択形状のみをレンダリングします。法線のみのベイクなど、他の形状の影響が不要なときに使用します。
- 「全ての形状」
- 全ての形状をレンダリングします。間接光のベイクなど、他の形状の影響を反映させるときに使用します。
- 「UVレイヤー」ポップアップメニュー
- ベイクの対象にするUVレイヤーを選択します。「1(距離補正)」、「2(パラメータ)」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」から選択します。
- 「幅」ポップアップメニュー
- 生成するテクスチャイメージの横幅を選択します。「カスタム」、「64」、「128」、「256」、「512」、「1024」、「2048」、「4096」から選択します。
- 「幅」テキストボックス
- 「幅」ポップアップメニューで「カスタム」が選択されているとき、有効となります。
- 生成するテクスチャイメージの横幅を設定します。
- 「高さ」ポップアップメニュー
- 生成するテクスチャイメージの縦幅を選択します。「カスタム」、「64」、「128」、「256」、「512」、「1024」、「2048」、「4096」から選択します。
- 「高さ」テキストボックス
- 「高さ」ポップアップメニューで「カスタム」が選択されているとき、有効となります。
- 生成するテクスチャイメージの縦幅を設定します。
- 「ピクセル深度」ポップアップメニュー
- 生成するテクスチャイメージのピクセル深度を選択します。「32」、「64」、「128」から選択します。
- 「マージン」テキストボックス
- UV境界の色を広げる余白部分のピクセル数を設定します。
- 余白を設けることでアンチエイリアスの効果などにより、UV境界の外の色が内側に入り込む現象を防ぎます。
- 「面の分割」ポップアップメニュー
- 自由曲面などの面の分割数を選択します。「分割しない」、「粗い」、「普通」、「細かい」、「最も細かい」から選択します。
- 「ライティング」ポップアップメニュー
- ライティングの種類を選択します。「なし」、「直接光」、「直接光+間接光」から選択します。
-
- 「なし」
- 照明効果を計算しません。ベイク処理が高速になるため、照明による効果が不要なときに使用します。
- 「直接光」
- 直接光のみを計算します。陰影、影などをベイクするときに使用します。
- 「直接光+間接光」
- 大域照明を含めた計算をします。間接光を含めた照明効果をベイクするときに使用します。
- 「影を描画」チェックボックス
- 「ライティング」ポップアップメニューで「なし」以外が選択されているとき、有効となります。
- オンのとき、影を反映します。
- 「アンビエントオクルージョン」チェックボックス
- オンのとき、アンビエントオクルージョンを反映します。
- 「ライティング」ポップアップメニューで「なし」が選択されている場合にも形状色に反映させて、溝などを暗くする効果を与えます。
- 注意「ライティング」ポップアップメニューが「なし」以外の場合でも環境光または間接光があれば効果が与えられます。
- 「アンビエントオクルージョン」テキストボックス、スライダ
- アンビエントオクルージョンの効果の適用率を設定します。
- 値が小さいほど効果が弱くなります。
- 「距離」テキストボックス
- アンビエントオクルージョンの「距離」を設定します。
- 遮蔽されているかどうかを判定する最大距離を設定します。
- 値が小さいほど、近距離のオブジェクトの影響しか受けなくなります。
- シーンのサイズなどに合わせて調整します。
- 「背景を反映」チェックボックス
- オンのとき、IBL、鏡面反射、透過に背景を反映させます。
- 「鏡面反射を描画」チェックボックス
- オンのとき、鏡面反射をベイクします。
- ベイクされた鏡面反射は視点の位置による変化のない、擬似的なものとなります。
- 「透過を描画」チェックボックス
- オンのとき、透過をベイクします。
- ベイクされた透過は視点の位置による変化のない、疑似的なものとなります。
- 「AIノイズ除去」チェックボックス
- オンのとき、AIノイズ除去を有効にします。
- 「GPUを使用する」チェックボックス
- オンのとき、対応する環境下でAIノイズ除去の処理を高速化します。
-
OS 対応環境 備考 Windows NVidia® Geforce® GTX 1600シリーズ以降 macOS Apple M1以降 IntelMac非対応 - 「視線追跡レベル」テキストボックス
- 視線追跡レベルを設定します。
- 「レイトレーシングの画質」テキストボックス
- レイトレーシングの画質を設定します。
- 「マテリアルタイプ」ポップアップメニュー
- 「ベイクモード」で「マスターマテリアル作成」を選択しているとき、有効となります。
- 作成するマテリアルの種類を選択を選択します。「PBRマテリアル」、「Shade3Dマテリアル」から選択します。
- 「統合(Unlit)」チェックボックス
- 「ベイクモード」で「マスターマテリアル作成」を選択しているとき、有効となります。
- 「マテリアルタイプ」ポップアップメニューで「PBRマテリアル」が選択されているとき、有効となります。
- オンのとき、「陰影付けをしない」(Unlit)のマテリアルを作成します。
- ライティングの設定と組み合わせて、影や間接光などがベイクされたテクスチャを生成するときに使用します。
- 「透過」チェックボックス
- 「ベイクモード」で「マスターマテリアル作成」を選択しているとき、有効となります。
- オンのとき、αブレンド、αマスクのテクスチャを生成します。
- 「透過」ポップアップメニュー
- 「ベイクモード」で「マスターマテリアル作成」を選択しているとき、有効となります。
- 「透過」のタイプを選択します。「αブレンド」、「αマスク」から選択します。
-
- 「αブレンド」
- 透過にαブレンドを設定します。
- 「αマスク」
- 透過にαマスクを設定します。
- 「透過」テキストボックス、スライダ
- 「ベイクモード」で「マスターマテリアル作成」を選択しているとき、有効となります。
- αマスクの閾値を設定します。
- 「法線」チェックボックス
- 「ベイクモード」で「マスターマテリアル作成」を選択しているとき、有効となります。
- オンのとき、法線マップを生成します。
- 「法線」ポップアップメニュー
- 「ベイクモード」で「マスターマテリアル作成」を選択しているとき、有効となります。
- 法線マップの座標系を選択します。「タンジェント」、「ローカル」、「グローバル」から選択します。
-
- 「タンジェント」
- RGB値を形状の法線からの差分とします。(通常の法線マップ)
- 「ローカル」や「グローバル」の法線マップを使用している形状から生成します。
- 「ローカル」
- RGB値をローカル座標系の法線とします。
- テクスチャベイクで法線マップの焼き付けを行うときの中間的な用途で利用します。
- 「グローバル」
- RGB値をグローバル座標系の法線とします
- テクスチャベイクで法線マップの焼き付けを行うときの中間的な用途で利用します。
- 「メタリック」チェックボックス
- 「ベイクモード」で「マスターマテリアル作成」を選択しているとき、有効となります。
- オンのとき、メタリックマップを生成します。
- 「ラフネス」チェックボックス
- 「ベイクモード」で「マスターマテリアル作成」を選択しているとき、有効となります。
- オンのとき、ラフネスマップを生成します。
- 「発光」チェックボックス
- 「ベイクモード」で「マスターマテリアル作成」を選択しているとき、有効となります。
- オンのとき、発光マップを生成します。
- 「間接光を加算」チェックボックス
- 「ベイクモード」で「マスターマテリアル作成」を選択しているとき、有効となります。
- 「ライティング」ポップアップメニューで「直接光+間接光」が選択されているとき、有効となります。
- オンのとき、発光マップに間接光の明るさを加算します。
- IBLや間接光がベイクされたマッピングを生成するときに使用します。
- 「オクルージョン」チェックボックス
- 「ベイクモード」で「マスターマテリアル作成」を選択しているとき、有効となります。
- オンのとき、オクルージョンマップを生成します。
- 「マルチパスレンダリング 生成パス」リストボックス
- チェックボックスのオン、オフでレンダリングの際に追加で生成するパスを設定します。
- ここで有効にしたパス以外にも、レンダリングやマテリアルの設定で必要になったパスは自動的に生成されます。
- 「ベイク」
- 「ベイクモード」が「レンダリングのみ」のとき、レンダリングを実行します。
- 「ベイクモード」が「マスターマテリアル作成」のとき、レンダリング終了後にマスターマテリアルが生成し、ツールパラメータを閉じます。
- 「閉じる」
- テクスチャベイクをキャンセルしてツールパラメータを閉じます。
使用方法
1.プロシージャルマップのベイク、多重マップの統合
チェックやスポットなどのプロシージャルマップやイメージなど複数のレイヤを組み合わせた多重マップを一枚のイメージマップに統合します。
- イメージ、チェック、スポットの多重マップを設定した形状を選択します。
- メインメニューの「ツール」 > 「編集[共通]」 > 「テクスチャベイク」を選択し、表示された「テクスチャベイク」ツールパラメータで「ベイクモード」から「マスターマテリアル生成」を選択し、不要な項目のチェックボックスをオフにして「ベイク」します。
- 「ベイク」するとレンダリングが実行され、テクスチャイメージが生成されます。
- 「ベイクモード」で「マスターマテリアル生成」をしているのでベイクしたテクスチャイメージが設定されたマスターマテリアルも生成されます。
- 元の形状のマテリアルを削除するか、別の形状に生成されたマスターマテリアルを適用します。
2.複数のオブジェクトのマテリアルを統合
複数のオブジェクトに設定されたマテリアルを一枚のイメージマップに統合します。
メタバースなど、リアルタイム描画では多数のオブジェクトに個別にマテリアルが設定されているとパフォーマンスが低下します。テクスチャベイクで複数のオブジェクトのマテリアルを一つに統合することで、フレームレートの向上が見込めます。
- それぞれに個別のマテリアルが設定された3つの形状を選択します。
- 3つの形状を選択した状態でUV図面を確認するとUV面が重なっているのが確認できます。ベイクのために全てのUV面が重ならないように再配置します。
- 再配置すると現在のマテリアルが崩れるので、UV層を複製して作業します。
3つの形状を選択した状態で「UV」ポップアップメニューから「UV層の複製」を選択して「UV1(距離補正)」のUVを「UV2(パラメータ)」に複製します。以降の手順は「UV2(パラメータ)」で行います。 - 直方体は6面が重なっているため再展開します。
直方体を選択して「UV」ポップアップメニューから「UV作成」を選択します。 - 「ツールパラメータ」から生成タイプにボックスを指定して「全ての面を展開」します。
- 3つの形状を選択して「UV」ポップアップメニューから「UV作成」を選択し、「UVの再配置」から「全ての面」を選択して再配置します。
- 3つの形状を選択した状態でメインメニューの「ツール」 > 「編集[共通]」 > 「テクスチャベイク」を選択し、表示された「テクスチャベイク」ツールパラメータで「ベイクモード」から「マスターマテリアル作成」を選択し、「UVレイヤー」に「2(パラメータ)」を選択し、「透過」や「法線」など不要な項目や元のマテリアルで使用していない項目をオフにします。
- 「ベイク」するとレンダリングが実行され、テクスチャイメージとマスターマテリアルが生成されます。
- 3つの形状を「パート」に入れます。「表面材質」ウインドウの「全削除」でマテリアルを全て削除してから、生成されたマスターマテリアルを「パート」に適用します。
※不要となった「UV1(距離補正)」はメタバースなどへの出力前に「UV」ポップアップメニューの「UV層の削除」で削除し、マテリアルで使用するUVも変更しておきます。
3.法線マップを利用したローポリゴン化
ハイポリゴンの形状から法線マップを生成して、ローポリゴンの形状に適用することで、凹凸感を維持したまま形状を軽量化することができます。
法線マップは面の構成の違う形状に受け渡し可能な「グローバル」座標系でベイクした後、glTFなどで利用可能な「タンジェント」座標系で再度ベイクしたものを使用します。
- 細かな凹凸が表現されたハイポリゴンの形状と凹凸の無いローポリゴンの形状を用意します。
ハイポリゴンから作成したUVマップをローポリゴンに適用しますので、見た目が同じになるように2つの形状のUVの位置、大きさ、形状の向きなどを揃えておく必要があります。
- ハイポリゴンの形状を選択し、メインメニューの「ツール」 > 「編集[共通]」 > 「テクスチャベイク」を選択し、表示された「テクスチャベイク」ツールパラメータで「ベイクモード」から「マスターマテリアル生成」を選択し、「法線」から「グローバル」を選択します。
- 「ベイク」するとレンダリングが実行され、法線マップ(グローバル)が生成されます。(「イメージウインドウ」の「法線(グローバル)」パスに生成されます。)
- ローポリゴン形状を選択します。
- 生成されたマスターマテリアルをローポリゴンの形状に適用すると、ハイポリゴンの形状に近い見た目の凹凸が再現されます。(レンダリング、またはプレビューレンダリングで確認できます。)
メタバース用に法線マップ(タンジェント)を作成する
メタバースで利用するために法線マップ(タンジェント)を生成します。
- 法線マップ(グローバル)を適用したローポリゴンの形状を選択します。
- メインメニューの「ツール」 > 「編集[共通]」 > 「テクスチャベイク」を選択し、表示された「テクスチャベイク」ツールパラメータで「ベイクモード」から「マスターマテリアル生成」を選択し、「法線」から「タンジェント」を選択します。
- 「ベイク」するとレンダリングが実行され、法線マップ(タンジェント)が生成されます。
- 生成されたマスターマテリアルをローポリゴンの形状に適用します。Shade3Dでのレンダリングイメージでは見た目の変化はありませんが、glTFなどに出力した場合、通常は法線マップ(タンジェント)以外では陰影が正常に表示されません。
ワイヤフレームでのポリゴン数の比較
法線マップを使用することで、見た目をなるべく維持しつつ、ポリゴン数を大きく削減することができます。
4.照明、影、間接光のベイク
照明、影、間接光がベイクされたテクスチャを生成します。
大域照明を反映したレンダリング結果と同等の見た目の形状をメタバース環境などで再現させることができます。
注意ベイク済みのマテリアル(Unlit)となるため、メタバース環境側でのライティングの変更やオブジェクトの移動には追従できません。
- 光源のあるシーンを用意します。
- 「2.複数のオブジェクトのマテリアルを統合」と同様にして、全ての形状のUVを展開して重ならないように配置しておきます。
- ベイクを行う形状を全て選択してメインメニューの「ツール」 > 「編集[共通]」 > 「テクスチャベイク」を選択し、表示された「テクスチャベイク」ツールパラメータで「ベイクモード」から「マスターマテリアル生成」を選択し、「レンダリング」ラジオボタンに「全ての形状」、「ライティング」ポップアップメニューから「直接光+間接光」を選択、「統合(Unlit)」チェックボックスをオンにします。
注意ブラウザでは対象形状のみ選択していますが、テクスチャベイクのレンダリングは光源を反映するために「全ての形状」を選択します。
- 「ベイク」するとレンダリングが実行され、ライティングを反映したテクスチャが生成されます。
- ベイクを行った形状を全て「パート」に入れます。「表面材質」ウインドウの「全削除」でマテリアルを全て削除してから、同時に生成されたマスターマテリアルを「パート」に適用します。
照明などを無視してテクスチャの色をそのまま表示するため、鏡面反射、透過以外はオフラインレンダリングと同じ表示になります。
- テクスチャベイクで光と影が表現されているためGPUレイトレーシングなどと比較しても視点移動の操作が軽いことがわかります。
- UnlitはViewer側の照明、反射を無視して、テクスチャの色をそのまま表示するため、Shade3D上と同じ表示になります。