PBRマテリアル
従来の表面材質設定に加えて、新たにPBRマテリアルに対応しました。
PBRマテリアルは物理法則に基づいた計算を行うようになっており、従来と比べて少ないパラメータで設定を行うことができます。
旧来のマテリアルはそれぞれのパラメータの詳細な理解と相互関係の把握、調整が必要でしたが、「ラフネス/メタルネス・ワークフロー」に準拠した新しい表面材質設定に対応することで最低限の知識でリアルな結果を得られるようになりました。
- 既存の表面材質のVer.20での使用
- 従来通り使用可能です。
- 同一シーンでのPBRマテリアルとの混在ができます。
- 既存の表面材質のPBRマテリアルへの変換
- 不可。新規にPBRマテリアルとして作成する必要があります。
Basic | Standard | Professional | Civil | Ultimate |
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使用方法
作成
- 統合パレット「表面材質」の「作成」から「新規PBRマテリアル」を選択します。
- PRBマテリアル設定項目が表示されます。
- 「新規マスターPBRマテリアル」を選択するとマスターサーフェスとしてPBRマテリアルを作成できます。
- 従来のマテリアルを作成する場合は「新規Shade3Dマテリアル」または「新規マスターShade3Dマテリアル」を選択します。
パラメータ
- ベースカラー
- 初期値 90% グレー
- マテリアルの基本となる色
- 非金属の拡散反射色、透明色、金属の鏡面反射色に影響する
- 左から 0% / 25% / 50% / 75% / 100% グレー
- メタリック
- 0.0 - 1.0
- 非金属では0.0、金属では1.0を指定すると物理的に正しい結果となる
- 意図的に混合させた質感を設定する場合は中間値を設定する
- ベースカラーにメタリック1.0を設定
- ラフネス
- 0.0 - 1.0
- 表面の荒さ
- 非金属、金属問わず表面の滑らかさ・荒さを設定する
- Shade3Dマテリアルの荒さとは異なり、レイトレーシング(ドラフト含む)手法でも反映される
- ベースカラー 90% グレーにラフネスを左から 0.0 / 0.25 / 0.50 / 0.75/ 1.0
- ベースカラー 90% グレー・メタリック 1.0 にラフネスを左から 0.0 / 0.25 / 0.50 / 0.75/ 1.0
- 屈折率/スペキュラ
- 屈折率:1.0 - / スペキュラ:0.0 -(ポップアップメニューで切り替え)
- 非金属の屈折率、鏡面反射
- ポップアップメニューで切り替えてどちらか片方の設定を行う
- ベースカラー 90% グレー・透明度 1.0 に屈折率を左から 1.05 / 1.10 / 1.33 / 1.55
- 透明度
- 0.0 - 1.0
- 材質の透明度
- 透明度を上げると非金属の拡散反射、金属の鏡面反射が下がる
- 金属については透明度は反映されない
- ベースカラー 90% グレーに透明度を左から 0.0 / 0.25 / 0.50 / 0.75/ 1.0
- 発光 発光
- 初期値100%ホワイト
- 光源や周囲の環境の影響を受けずに加算される色
- 1.0以上の値にすることで強い光を放つ表現ができる
- ベースカラー 90% グレーに発光を左から 0.0 / 0.25 / 0.50 / 0.75/ 1.0
各パラメータのマッピング制御
- ベースカラー
- メタリック
- ラフネス
- スペキュラ
- 透明度
- 発光
この他に「オクルージョン」「法線」をマッピングで制御できます。
- 法線
- 面法線の向きを制御して凹凸を表現します。
- オクルージョン
- 間接照明の影響を受ける(白)から受けない(黒)までをグレースケール画像で制御します。
- 左:オクルージョン無し / 右:オクルージョンあり
注意事項
「その他の表面材質属性」ダイアログで非対応の項目
- 陰影付けをしない
- より滑らかな陰影付け
- 環境光に拡散反射を乗算する
- ブラックキーマスク
- ホワイトキーマスク
- ローカル座標系(常にローカル座標系オンで動作)
- 疑似コースティクス
トゥーンレンダラ、ワイヤフレームレンダラ
- プラグインレンダラはPBRマテリアル未対応
- PBRマテリアルはデフォルト設定のShade3Dマテリアルとしてレンダリングされる
ラジオシティ
- ラジオシティはPBRマテリアル未対応
インポータ
- Shade3Dマテリアルとしてインポートされる
エクスポータ
- PBRマテリアルはデフォルト設定のShade3Dマテリアルとして出力される