リニアワークフロー
照明や間接光のシミュレートを正しく行うために、これまでユーザーが自身の経験や感性を元に手計算で行なっていたRGB値とエネルギーの換算などをアプリケーション側で自動で行うようにしました。
テクスチャイメージやカラーピッカーで選択した色に適切なカラースペースを適用することで、物理的に正しいレンダリングを行います。
特別な知識や調整なしに物理的に正しくリアルなシミュレーション結果を得ることができます。
PCモニタとHDTVなど、ガンマ値の異なる出力先に合わせた設定の切り替えが容易に行えます。
- 直接光、間接光のバランスが取れ、自然な明るさとなります。
- 直接光の減衰がなだらかになります。
- 間接光が明確になり、影になっている部分も適正な明るさとなります。
- 複雑な設定をしなくても自然な結果となります。
Basic | Standard | Professional | Civil | Ultimate |
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O | O | O | O | O |
- Ver.19でレンダリング
- Ver.20でレンダリング
その他の設定
環境設定(一般タブ)
- カラーマネジメント「ディスプレイカラースペース」ポップアップメニュー
選択項目 説明 sRGB 一般的なPC用ディスプレイ向け リニアsRGB(ガンマ1.0) リニアワークフローの動作を抑える場合に各設定と組み合わせて使用する Rec.709(ガンマ2.4) HDTVをPCに接続して使用している環境向け
レンダリング設定(イメージタブ)
- カラーマネジメント「ワーキングカラースペース」ポップアップメニュー
選択項目 説明 リニアsRGB(ガンマ1.0) リニアワークフローを行う sRGB リニアワークフローを行わない
大域照明を使わないシンプルな光源設定でのシーンで、リニアワークフローを使用すると不自然に見える場合に使用レガシーShade3D リニアワークフローを行わず、Ver.19以前と同じ動作を再現する
※Ver.19以前で作成したシーンを開いた場合自動的にこの項目が選択される
※Ver.20でVer.19以前と同じ結果を得たい場合に選択
- カラーマネジメント「出力カラースペース」ポップアップメニュー
選択項目 説明 sRGB 一般的な8bit/chの画像、動画ファイル向け リニアsRGB(ガンマ1.0) ガンマ1.0での出力を行う
法線マップの作成など、ガンマ補正が不要な用途で使用Rec.709(ガンマ2.4) HDTVをPCに接続して使用している環境向け
動画ファイルをShade3Dから直接出力する場合に使用sRGB(ガンマ値入力) 特定のガンマ値を持ったデバイス向けに出力する場合に使用
「ガンマ値」テキストボックスにガンマ値を入力する
- カラーマネジメント「ガンマ値」テキストボックス
- 「出力カラースペース」ポップアップメニューで「sRGB(ガンマ値入力)」が選択されている場合にガンマ値を入力
- 16 or 32bit/chの画像ファイル(OpenEXR, HDR, PFM)では無効
- ファイル保存でのみ使用され、アプリケーション上の表示には反映されない
マスターイメージ(形状情報)
- 「カラースペース」ポップアップメニュー
- 読み込まれている画像ファイルがどのカラースペースで保存されているかを指定する
- 通常は初期値「sRGB(自動ガンマ)」から変更の必要無し
- Ver.19以前までのシーンは「sRGB(ガンマ値入力)」に変更されて読み込まれる。
選択項目 説明 sRGB(自動ガンマ) 8bit/ch の画像ファイルは「sRGB」として扱う
16bit/ch または 32bit/ch の画像ファイルは「リニアsRGB(ガンマ値1.0)」として扱う
通常はこの設定を使用sRGB 16bit/ch または 32bit/ch の画像ファイルが「sRGB(ガンマ2.2)」で保存されている場合などガンマ値を指定場合に設定 リニアsRGB(ガンマ1.0) 8bit/ch の画像ファイルにガンマ補正をかけずに使用する場合に設定 Rec.709(ガンマ2.4) HDTV向けに調整された画像ファイルを読み込む場合に設定 sRGB(ガンマ値入力) 特定のガンマ値を持ったデバイス向けに調整された画像ファイルを読み込む場合に設定
「ガンマ値」テキストボックスにガンマ値を入力する
Ver.19以前に作成したシーンファイルを開いた場合は自動的にこの設定となる
- 「ガンマ値」テキストボックス
- 「カラースペース」ポップアップメニューで「sRGB(ガンマ値入力)」が選択されている場合にガンマ値を入力
- Ver.19以前に作成したシーンファイルを開いた場合、指定されていたガンマ値が数値に反映される
無限遠光源(フィジカルスカイ)
- 「ガンマ」テキストボックス・ポップアップメニュー
- レンダリング設定の「ワーキングカラースペース」が「レガシーShade3D」の時のみ有効
- Ver.19以前の結果を維持する場合にガンマ値の設定を行う
そのほかの情報
無限遠光源「環境光」
- リニアワークフローでは環境光を0.0にすることが望ましいため、新規シーンでは環境光は0.0に設定されています。
大域照明「反射係数」
- Ver.20では反射係数が内部的にVer.19の0.5倍の値で同じ結果になるように仕様変更されています。
Ver.20での初期値は0.9でこれはVer.19の1.8に相当します。
色補正ウインドウ「ガンマ」
- 色補正ウインドウのガンマは1.0にします。
単一拡散反射の設定
- 自動的に設定されるので設定の必要はありません。
Ver.19のシーンを読み込んだ場合
- 「ワーキングカラースペース」は「レガシーShade3D」が割り当てられます。
- 大域照明のパストレーシングの「反射係数」の値は0.5倍した値が格納されます。