アンチエイリアシング/使い分け
シーンや用途に合わせたアンチエリアシングの使い分けを紹介します。
Basic | Standard | Professional | Civil | Ultimate |
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O | O | O | O | O |
目的別のおすすめ形式
品質より速度重視のテストレンダリングを行う場合
「ドラフト」が最も高速です。
「1ピクセル以下の細い線」など複雑なディティールが部分的にあるシーンの場合
「アダプティブサンプリング」がお勧めです。
- 「サンプリング品質」の低い状態で「最小サンプル数」を増やしていき、線の途切れなどの無い状態を見つけます。
- 「サンプリング品質」を上げて、最終的に必要となる品質を見つけます。
「面光源のボケ影」などのぼかし効果のある機能が使われているが、複雑なディティールはないシーンの場合
「アダプティブサンプリング」がお勧めです。
面光源などがある場合、「最小サンプル数」を増やすと影の品質は向上するものの、レンダリング時間が大幅に増加します。
なるべく「最小サンプル数」を低くして、影の品質は「レイトレーシングの画質」で上げると効率的です。
面光源や「影のソフトネス」を持った光源が複数あり、広い範囲に影を落とす場合は、「パストレーシング手法」の方が高速になる場合があります。
「面光源のボケ影」などのぼかし効果と複雑なディティールが混在したシーンの場合
「オーバーサンプリング」がお勧めです。
「レイトレーシングの画質」を低めにして、オーバーサンプリングの品質で影とディティールの品質を向上させます。
ボケ影などは「オーバーサンプリング」でも非効率になるものの、複雑なディティールを再現するには単純にサンプル数を増やすよりほかないため、妥協案の選択となります。
「アダプティブサンプリング」で「最小サンプル数」を増やしても同じ効果は得られますが、単純にサンプル数を増やす場合は「オーバーサンプリング」の方がシンプルな方式のため、結果的に速くなることが多くなります。
面光源など、ボケ影を発生させる光源が2つ以上ある場合は、「パストレーシング手法」の方が高速になります。(パストレーシング手法はさらにシンプルなため)
反射の荒さを使う場合などで、最終的に「パストレーシング手法」を使うときの、設定を詰めるためのテストレンダリングの場合
「アダプティブサンプリング」がお勧めです。
サンプリングフィルタの効果は「アダプティブサンプリング」と「パストレーシング手法」で共通にかかるため、アンチエイリアシングの仕上がりを一致させることができます。
また、「アダプティブサンプリングのサンプリング品質」 x 50 = 「パストレーシング手法のレイトレーシングの画質」で対応付けがされるため、アンチエイリアシングに必要な品質も詰めることができます。
ぼかし効果の種類
レイトレーシング手法のアンチエイリアシングの速度に大きな影響を与える「ぼかし効果」の種類の一覧です。
種別 | 機能名 | 説明 |
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光源 | 面光源 | ・光の当たる場所、影の落ちる場所の両方が影響範囲 |
影のソフトネス (無限遠光源、形状光源) | ・影のソフトネスの値が0.0以外のとき ・光の当たる場所、影の落ちる場所の両方が影響範囲 |
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ボリュームライト | ・ボリュームライトの範囲 | |
表面材質 | ボリュームレンダリング | ・ボリュームレンダリングが設定された形状 |
サブサーフェススキャッタリング | ・サブサーフェススキャッタリングが設定された形状 | |
パストレーシング | (イラディアンスキャッシュなし) | ・シーン全体が影響範囲 ・イラディアンスキャッシュがオンのときは大きな影響なし |
フォトンマッピング | ・光で照らされている場所 ・コースティクスなど、明るい場所ほど影響が大きい |
効果 | モーションブラー | ・動きのある形状 ・影響度はサブフレーム数に依存 |