アンチエイリアシング
アンチエイリアシングに3つの機能が追加されました。
- アダプティブサンプリング
新方式のアンチエイリアシング、最小サンプル数、サンプリング品質を個別に設定。 - リファインメント閾値(Professionalのみ)
ピクセルにどの程度の輝度差があればアンチエイリアシングを行うかの閾値を個別設定 - サンプリングフィルタ(Professionalのみ)
アンチエイリアシングやパストレーシング手法の仕上がり(シャープネス、ソフトネス)を調整 
| Basic | Standard | Professional | Civil | Ultimate | 
|---|---|---|---|---|
| アダブティブサンプリングのみ | アダブティブサンプリングのみ | O | O | O | 
使用方法
レンダリング設定ウインドの「基本設定」タブよりアンチエリアシングにチェックを入れ、種類を選択します。
	アンチエリアシンググループ
- ドラフト
 
- 従来のアンチエイリアシングの「自動適応」を名称変更
 - 速度を優先した低品質な手法
 - アダプティブサンプリング
 
- 最小サンプル数、サンプリング品質を個別に設定でき、シーンに合わせた品質、速度のバランスを調節できる
 - サンプリングフィルタによる仕上がりの調整が可能
 - オーバーサンプリング
 
- 従来のアンチエイリアシングの「2x2 ~ 8x8」の手法
 - 単一の設定項目で安定して品質を向上できるが、サンプル数が一様に増加するため、レンダリング時間も増加する
 - リファインメント閾値
 
- Professionalのみ
 - オンのとき、従来は「レイトレーシングの画質」に連動していた内部的な閾値を個別設定できます。
 - 最小サンプル数
 
- アダプティブサンプリングで有効
 - 全てのピクセルに対して一様に行うサンプルの回数を設定
 - サンプリング品質
 
- アダプティブサンプリングで有効
 - 大きくなるほどアンチエイリアシングの品質が向上します。
 - オーバーサンプリング
 
- オーバーサンプリングで有効
 - 従来のアンチエイリアシングの「2x2 ~ 8x8」の設定に対応します。
 
設定別サンプル画像(アンチエリアシングの効果を確認するため2倍に拡大しています。)
- 最小サンプル数
 - 4で従来のパストレーシングの画質50相当。1ピクセル程度の細かい部分の調整に使用(アニメーションレンダリングでフレームによっては細かい部分が途切れたりする場合の調整など)
 - 数値が大きくなるにつれ、レンダリング時間が増加する
 - 
		

4

10

25

64
 
- リファイメント閾値
 - 輝度の変化率がどの程度であれば追加サンプリングを行うかを決定します。
 - アンチエイリアシングは形状やテクスチャの色の境界線など、ジャギが発生する箇所で追加のサンプリングを行うことで滑らかにする機能ですが、周囲との色の変化が小さい箇所ではジャギが発生していても目立たないことがあります。
 - 輝度の変化率が低いところに対して追加サンプリングを行わないようにすることで、見た目上の変化を抑えつつレンダリング時間を減らすことができます。
 - 
		

0.5

1.0

2.0
 
輝度を基準としており、RGBAのそれぞれで影響度が異なります。このため、色によって効果の受け方が変化します
| 
		 
 0.5  | 
		
		 
 1.0  | 
		
		 
 2.0  | 
		
サンプリングフィルタ(Professionalのみ)
・レイトレーシング手法のアダプティブサンプリング、パストレーシング手法の仕上がりを調節する機能です。
・各種フィルタ、設定値でアンチエイリアシングのシャープネス、ソフトネスのバランスを調節します。
・従来のレイトレーシング手法とパストレーシング手法は内部的に異なる動作をしていたため、アンチエイリアシングの仕上がりに微細な違いが発生していましたが、明示的に設定をすることで同じ仕上がりにすることができるようになります。
| フィルタ | グラフ | サンプル | 特徴 | 説明 | 
|---|---|---|---|---|
| ボックス | ![]()  | ![]()  | ソフト 低品質 過去互換  | ・旧来からのレイトレーシング手法の動作です。 ・低品質なものの、アーティファクトの発生しにくい安定した結果となります。  | 
		
| シリンダー | ![]()  | ![]()  | ソフト 低品質 過去互換  | ・旧来からのパストレーシング手法の動作です。 ・低品質なものの、アーティファクトの発生しにくい安定した結果となります。 ・ボックスよりも若干ソフトな結果となります。 ・Shade 16.0以前で作成した既存ファイルを開いた場合はこのフィルタが初期値として設定されます。  | 
		
| トライアングル | ![]()  | ![]()  | ややソフト 低品質  | ・簡易的なフィルタで、ボックスよりもシャープな結果となります。 | 
| ガウス | ![]()  | ![]()  | ソフト | ・スムージング効果の強いフィルタです。 ・ジャギは少なくなりますが、ボケた結果になります。 ・Professionalで新規シーンを作成した場合はこのフィルタが初期値として設定されます。  | 
		
| ブラックマン-ハリス | ![]()  | ![]()  | ややソフト | ・ガウスよりもシャープ寄りの結果となるフィルタです。 | 
| ミッチェル-ネトラヴァリ | ![]()  | ![]()  | ややシャープ | ・スムージングとシャープネスのバランスを取ったフィルタです。 ・ブラックマン-ハリスとカトマル-ロムの中間程度の結果となります。 ・周囲との輝度差の大きいピクセルではフリンジが発生する場合があります。  | 
		
| カトマル-ロム | ![]()  | ![]()  | シャープ | ・シャープネスを強調したフィルタです。 ・周囲との輝度差の大きいピクセルではフリンジが発生する場合があります。  | 
		
※グラフの縦軸が色のウエイト、横軸がピクセルの幅(原点がピクセルの中心)です。
範囲
ピクセルの中心からのサンプリング範囲(ピクセル単位)を設定します。
大きくするとスムージングされた結果、小さくするとシャープな結果となります。
TIPS
基本的なシャープネス・ソフトネスの方針はフィルタの種類で決定して、「範囲」は微調整に留めるのがお勧めです。
値を大きくするとスムージングされるものの、ノイズが発生しやすくなるため、「サンプリング品質」や「レイトレーシングの画質」を上げて対処する必要のある場合があります。
値を小さくするとシャープになるものの、ジャギやアーティファクトが発生しやすくなります。これは品質設定を上げても解消されません。
値を0.0にするとアンチエイリアシングを無効にしたときと同じ結果になります。















