使用方法
3Dプリントアシスタントへは3カ所からアクセスできます。
メインメニューより
- 「表示」メニューから「3Dプリントアシスタント」を選択します。
- 「3Dプリントアシスタント」が起動します。
3Dプリントアシスタント - チェックモードに入ると自動的に「3Dプリント」ウインドウレイアウトに切り替わります。
ウインドウレイアウトセレクタより
- ウインドウレイアウトセレクタの「プリセット:3Dプリント」ウインドウレイアウトを選択します。
- 自動的に「3Dプリントアシスタント」が起動したウインドウレイアウトに切り替わります
コントロールバーより
- コントロールバーの「3Dプリントアシスタント」ボタンをクリックします。
- 「3Dプリントアシスタント」が起動します。
- チェックモードに入ると自動的に「3Dプリント」ウインドウレイアウトに切り替わります。
3Dプリントウインドウレイアウトの図面表示
3Dプリントでチェックすべきエラーは、主に面の法線方向、厚みの無い形状、面と面のつながりの状態となります。これらは形状が立体として成立するかの判断基準となります。
3Dプリントウインドウレイアウトでは、これらの状態が見やすいように、図面をシェーディング+ワイヤフレーム表示とし、面が裏返っている部分は青(初期値)、また面を1つしか持たない境界稜線(開口部や不連続面の境)、3つ以上の面が繋がっている三面稜線を赤(初期値)で表示するようになっています。また、境界稜線は形状の裏側にあっても透過表示されるオプション「透過」がオンになっています。
これらの設定は図面の「表示切り替えポップアップメニュー」またはメインメニュー「図面」の「アクティブビュー」「全てのビュー」の「非多様体稜線」や「表示オプション」から切り替える事ができます。
トップページ
「一括チェックと自動修正」、「厚み付けと一体化」、「エクスポート」より作業内容を選択します。
- 1: 「一括チェックと自動修正」のページに移動し、シーンのチェックを自動的に行います。ウインドウレイアウトは「3Dプリント」に切り替わります。
- 2: 「厚み付け」のページに移動します。ウインドウレイアウトは「3Dプリント」に切り替わります。
- 3: 「エクスポート」のページに移動します。ウインドウレイアウトは「3Dプリント」に切り替わります。
「一括チェックと自動修正」からシーンのチェックを行い、修正の終わったシーンに対して「厚み付け」や「一体化」を行い、「エクスポート」でSTLに出力するのがもっとも単純な流れとなります。
チェックシーン選択ページ
「一括チェックと自動修正」を選択すると表示されます。
エラーのチェックは、すべてポリゴンメッシュに対して行われます。一方、Shade3Dのシーンには球や円、自由曲面などのポリゴンメッシュではない形状が存在します。またリンク形状、ミラー形状、パスリプリケータ、サーフェスリプリケータ、各種ジョイントなど、実体を持たない形状も数多く存在します。 上2つの「Shade3Dシーンのチェックと修正」「Shade3Dシーンをポリゴン化してのチェックと修正」の違いは、これらのポリゴンメッシュ以外のオブジェクトに対してどのような処理をするかの違いとなります。
- 1: Shade3Dシーンのチェックと修正
選択すると「一括チェックと自動修正」のページを表示し、最前面のシーンに対して自動チェックを行います。
非ポリゴンメッシュ形状や実体を持たない形状に対して、手作業でのポリゴンメッシュ変換、あるいは削除などを行います。
利点 形状別にボリゴン変換時の分割数を指定することが可能。
手順を考えれば最終段階までなるべく少ないポリゴン数で作業を行うことが可能。
ブラウザ構造もそのままなので形状の管理が分かりやすい。欠点 変換ミスや手作業の量が増える。 - 2: Shade3Dシーンをポリゴン化してのチェックと修正
選択すると最前面のシーンを内部的にSTL形式でエクスポートし新規シーンを作成してそこに読込みます。(確認ダイアログボックスが表示されます。)
シーンの要素を一旦STL形式に変換し、新規シーンに読み込むことで、全ての要素をポリゴンメッシュに一括変換します。
「一括チェックと自動修正」のページを表示し、読込んだSTLに対して自動チェックを行います。
利点 すべてポリゴンメッシュとなっているため、変換作業や変換ミスなどが発生しない。 欠点 ブラウザの階層構造が失われ、管理が難しくなる。
すべて一定の細かさで分割されるので形状ごとの分割数を指定できない。 - 3: 外部のポリゴンメッシュデータを読込んでのチェックと修正
Shade3D以外のポリゴンデータを読込んで、チェックを行います。
選択すると外部形式のファイルを選択するダイアログボックスが表示されます。ファイルを選択すると「一括チェックと自動修正」のページを表示し、読込んだSTLに対して自動チェックを行います。
メニューバー
作業ページを切り替えます。すべてのページの上部に表示されます。
- 「一括チェックと自動修正」ページに移動します。
- 「一括チェックと項目別修正」ページに移動します。
- 「厚み付けと一体化」ページに移動します。
- 「エクスポート」ページに移動します。
- 1つ前のページに移動します。(「その他の情報」ページへの移動はつねに「その他の情報」のトップページとなります。)
- 1つ先のページに移動します。(「その他の情報」ページへの移動はつねに「その他の情報」のトップページとなります。)
- この表示のときは移動できません。
- トップページに移動します。
- 現在のシーンを指定されたフォルダへ「年月時分秒bak.shd」の形式で書き出します。(例:「2014年3月9日12時45分28秒」のとき「140309124528bak.shd」となります。)
- 「その他の情報」ページを開きます。
「一括チェックと自動修正」ページ
現在のシーンに対しての一括エラーチェックと自動修正を行います。
自動修正では処理選択の必要ない項目(重複要素、法線方向など)に対して修正を行います。 処理選択の必要な項目(非ポリゴン形状、境界稜線、非平面など)に対しては「一括チェックと項目別修正」ページで修正します。
- エラーのチェックを行い、下段の表にリストアップします。
- リストアップされた項目について再起的に自動修正を行い、結果を下段の表にリストアップします。
- 1: チェックでリストアップされた項目を表示します。項目をクリックすると問題箇所を図面にフィット表示します。
- 2: チェックのログをファイルに出力します。
- 3: リストの表示方式を「項目 > 形状」と「形状 > 項目」から選択します。
「項目 > 形状」を選択すると項目別(非ポリゴン形状、境界稜線、非平面など)に分類され、項目名先頭のをクリックして項目を開くと形状名が表示されます。
「形状 > 項目」を選択すると形状別(ポリゴンメッシュ、非ポリゴン形状など)に分類され、形状名先頭のをクリックして形状を開くと項目名が表示されます。 - 4: 検出されたエラーの個数を表示します。
- 5: 「三面稜線」「内包面」に表示されます。クリックすると「三面稜線」「内包面」についての説明と修正法についてのページをお使いのブラウザで表示します。
「三面稜線」「内包面」が含まれる場合、自動修正ボタンを押した時にダイアログボックスが表示され、すべての三面稜線の接続を解除するかどうかを選択します。
「一括チェックと項目別修正」ページ
現在のシーンに対しての一括エラーチェックと項目別修正を行います。
リストアップされた項目ごとに修正の処理を選択して修正することができます。自動修正で残った処理選択の必要な項目の修正もここで行います。
また、検査する対象を「シーン」と「選択形状」からの選択と、「可視形状のみ」、「レンダリング対象形状のみ」、「可視形状&レンダリング対象形状」の3通りを組み合わせて選択することができます。
- エラーのチェックを行い、下段の表にリストアップします。
- リストアップされた項目のうち、処理を選択されたものについてまとめて修正を行い、結果を下段の表にリストアップします。
- 1: チェックする対象を「シーン」と「選択形状」から選択します。
- 2: チェックする対象を「可視形状のみ」「レンダリング対象形状のみ」「可視形状&レンダリング対象形状」から選択します。
- 3: チェックする項目の状態を「完全」「シンプル」「カスタム」で表示します。クリックするとオプションエリアが表示されます。
- 3−1: チェック項目の組み合わせを「完全」(全項目)と「シンプル」(「非ポリゴン形状」「重複要素」「法線方向」「境界稜線」のみ)から選択します。それ以外の組み合わせのときは「カスタム」が表示されます。
- 3−2: クリックしてチェックする項目を選択します。
- 3−3: その他のオプションを選択します。
- 3−4: 重複要素を検出する精度を完全な「同一点のみ」か、一定範囲の「近傍点含む」から選択します。
- 4: チェックのログをファイルに出力します。
- 5: リストの表示方式を「項目 > 形状」と「形状 > 項目」から選択します。
「項目 > 形状」を選択すると項目別(非ポリゴン形状、境界稜線、非平面など)に分類され、項目を開くと形状名が表示されます。
「形状 > 項目」を選択すると形状別(ポリゴンメッシュ、非ポリゴン形状など)に分類され、形状を開くと項目名が表示されます。 - 6: 検出されたエラーの個数を表示します。
- 7: リスト内の処理を選択されたものについてまとめて修正を行います。 と同じ機能です。
- A: 修正が必須なものは で、警告のときは で表示されます。
項目名または形状名をクリックすると問題箇所を図面にフィット表示します。
先頭のをクリックすると内包する項目名または形状名が表示されます。 - B: 修正する処理を選択するものは ボタンが、処理が決まっているものは ボタンが表示されます。
をクリックして処理を選択し、処理を保留にするか、実行するか選択できます。 - C: 修正する処理を選択します。[統合][分割][削除][三角分割]などは処理が決まっているものです。
ノートチェックする対象やチェック項目、その他の設定は保存され次回実行時にも反映されます。
自動修正と項目別修正の違い
たとえば手動や項目別修正で重複頂点を統合すると重複面や三面稜線が発生し、それらを分離すると再度重複要素が発生します。
自動修正では、それらの問題をクリアにしつつ、最適な結果が得られるようにそれぞれのエラーを修正します。
一方、項目別修正では、自動修正では処理できない修正方法が複数あるものについて、その方法をユーザーが選択し修正を行います。
自動修正で残ったエラーを項目別修正で修正し、その結果を再度チェックして自動修正で処理を行うなど、エラー方式を相互に行き来しつつ修正することでエラー修正を効率的に行うことができます。
シーンツール
シーン全体の外寸の均等拡大縮小、シーン全体の原点移動を行います。 「一括チェックと自動修正」「一括チェックと項目別修正」ページに表示されます。
- 1: 現在のシーン全体の外寸を表示します。シーンを編集した場合は ボタンで再取得します。
- 「シーンサイズ変更」ダイアログボックスを表示してシーン全体の外寸を均等拡大縮小します。
ダイアログボックスの下段のテキストボックスのいずれかに数値を入力すると残りのテキストボックスの値が自動的に変更されます。
「実行」ボタンでシーンに適用されます。
- シーン全体のバウンディングボックスの中心を原点に合わせるようにシーン全体を移動します。
エラー内容と修正方法について
3Dプリントを行う際に正しく形状が3Dプリントできない、または3Dプリンタのユーティリティソフトで読み込みできない形状となる可能性のあるエラー()と警告()には以下のような項目があります。
- 非ポリゴン形状(エラー)
- 重複要素(頂点・面)(エラー)
- 不連続面(警告)
- 内包面(エラー)
- 法線方向の不一致(エラー)
- 向き付け不可能(エラー)
- 三面稜線(エラー)
- 境界稜線(エラー)
- 非平面(警告)
それぞれのエラー()と警告()の概要とそれに対する項目別修正で行われる修正方法は以下の通りです。
修正方法:ポリゴンメッシュに変換します。
修正方法:頂点や面をマージ(統合)し、2つ以上存在しないように修正します。
修正方法:それぞれの連続している面の集合ごとに別のポリゴンメッシュとして分離、あるいは1つのポリゴンメッシュに一体化するなどして修正します。
修正方法:内包面を削除して1つの形状とします。
修正方法:それぞれが同一方向(内側、外側)を向くように方向を統合して修正します。
修正方法:自動での修正はできません。手作業で表と裏を定義するような修正が必要となります。
修正方法:表と裏の定義ができるようにそれぞれの面を分離または削除します。分離した面にはさらに厚み付けなどの修正が必要です。また削除は接続されている面も削除されるため、個別の確認作業が必要となります。
修正方法:状態に応じて穴埋めや厚み付けを行い立体として成立するように修正します。
注意これらのエラーが1つでも残っていると、3Dプリンタでの出力時に確実にエラーとなるというものではありません。実際にはプリンタの機能や付属のファイル変換ユーティリティ、出力センターによって出力できるかどうかが決定します。
リンク形状などの処理
Shade3Dシーンをチェックする場合、リンク形状に対する注意が必要となります。
あらかじめ、ミラー形状の実体化をするか、シーン選択でSTL化することでも実体化することができます。
そのままエクスポートすることでもポリゴン化されますが、一体化などは行われません。
修正完了の目安
3Dプリントアシスタントでの修正作業を完了させるかどうかは、3Dプリントを行うために必要な以下のような条件を満たした形状に修正されているかどうかが1つの目安となります。
(※複数の形状を一度に出力する場合はこの限りではありません)
「厚み付け」と「一体化」ページ
選択形状への指定数値による「厚み付け」とブール演算による「一体化」を行います。
- 1: 「一体化」ページを表示します。
- 2: 付ける厚みを数値で入力します。単位はmmです。
- 3: 厚みを付ける方向を「内側」「外側」「両側」から選択します。
- 4: 距離の基準を「側面」「頂点からの距離」から選択します。
- 5: 厚み付けを実行します。
- 1: 「厚み付け」ページを表示します。
- 2: リスト内の形状、シェルをすべて選択します。
- 3: リスト内の選択状態を解除します。
- 4: リストの内容を更新します。
- 5: 一体化を実行します。
- 6: 形状とそのシェルを表示します。
- 7: 形状のシェル数を表示します。
「エクスポート」ページ
現在のシーン、または選択形状を最適なSTL形式で出力します。
- 1: シーン全体をSTL形式で出力するためのファイルダイアログボックスを表示します。
- 2: ブラウザで選択されている形状のみをSTL形式で出力するためのファイルダイアログボックスを表示します。
- 3: 出力する時の単位、上方向の軸を設定するオプションを表示します。
- 4: 出力する単位を「mm(一般的なSTL出力)」「cm(mayaなど)」「inch(3ds maxなど)」から選択します。
- 5: 出力時の上方向の軸を「Z(一般的なSTL出力)」「Y」から選択します。
注意Shade3DではSTL形式を標準ではmmで、OBJ形式をmで出力しています。またOBJエクスポータでは単位・スケールの変更はできません。
「その他の情報」ページ
その他の情報を表示します。
- 1: アシスタントで行うチェックとその修正項目についてのページです。
- [詳細]項目についての詳細ページが表示され、ページをクリックするともとのページに戻ります。
- [エラーファイル]項目のエラーを含むシーンが開きます。
- [修正ファイル]エラーファイルを修正したシーンが開きます
- 2: 3Dプリントウインドウレイアウトで設定される図面表示設定についてのページです。
- 3: 3Dプリント出力用に最適化する直前の形状と最適化後の形状のページです。画像部分をクリックするとシーンが開きます。
- 4: 3D出力センターの一覧を表示したWebページを外部ブラウザで開きます。
- 5: バックアップを行う意味と保存方法についてのページです。
- 6: 「シェルの分割」「選択形状に色を設定」など手動修正用のツールを収録しているページです。
- 「センタリング」:選択形状またはシーン全体を中心座標が原点にくるように移動します。
- 「法線を外側に向ける(ポリゴンのみ);選択形状またはシーン全体のポリゴン形状の面法線を外側に向けます。
- 「シェル分割と自動結合」:選択形状またはシーン全体のポリゴンメッシュ形状のシェル分割またはポリゴンメッシュ形状の結合を行います。
- 「シェル分割」:シーン全体のポリゴンメッシュ形状のシェルの分割を行います。
- 「選択形状に色を設定」:選択した形状の表面材質の拡散反射色に「黄色」「緑」「青」「リセット」(リセットはデフォルトでは白)を設定します。
- 「裏面表示色を設定」:3Dプリントウインドウレイアウトで設定されている図面の表示オプション「両面(裏面カラー)」で使用する色を「黄色」「緑」「青」「オレンジ」「リセット」(リセットはデフォルトでは青)」に設定します。
- 「各種検出(全て選択)」:チェック対象となる項目を持った形状を全て選択します。
- 「クリーンアップ」:ブラウザでの名称設定や表面材質設定のリセットや削除を行います。